目指したのは、次世代につながるサスティナ

PROJECTSTORY#1

目指したのは、次世代につながるサスティナビリティ。
技術部の知見が結集した「自家発電設備更新プロジェクト」

PROJECT
MEMBER

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M・U

富士本社
富士工場3号発電設備更新
プロジェクトチーム所属

富士工場3号発電設備更新プロジェクト サブリーダー。1986年新卒入社。ユーティリティ設備(電気・蒸気・工業用水・圧縮空気供給)のオペレーター業務を経て運転管理者として長年製造部門に携わる。

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K・I

富士本社
技術部設備管理課所属

2020年11月中途入社。前職は食品製造オペレーターとして製造設備の整備・修繕、設備更新計画の検討のほか、エネルギー管理士としてエネルギーの改善および監視などの業務を担当。

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M・W

富士本社
技術部設備管理課所属

富士工場3号発電設備更新プロジェクト サブリーダー。2002年新卒入社。工務部施設課、技術部技術設計課などで、工場生産設備を中心としたメンテナンス業務に携わる。

食品等の原料製造会社である当社の工場には、さまざまな大型設備があります。その大型設備の代表格が「発電設備」。今回「自家発電設備更新」という社内の多くのメンバーが関わって進行している大型プロジェクトに携わった3名の視点を通して、会社の目指す姿を具現化させる技術部の業務内容、そして全社的に掲げるサステナビリティへの考え方に迫ります。

01現場、メンテナンス、データ解析のプロが集結して始まった巨大プロジェクト。

M・W当社にはボイラー・タービン発電設備が2基あり、連続的に稼働しています。通常の運用としては設備の操作を「製造オペレーター」が担っており、メンテナンスや更新(設備の作り替え)は「技術部」が担当しています。富士工場は操業から50年以上経過していることもあり、そのうちの1台が老朽化してきたので、更新する必要がありました。それが今回のテーマとなる「富士工場3号発電設備更新プロジェクト」です。大きな設備なので、技術部門の各セクションから選抜された人材が集められ、計画がスタートしました。

M・U私は2022年3月まで製造部門でのオペレーター業務や運転管理を行なうボイラー・タービン主任技術者業務に携わってきました。このプロジェクトが立ち上がったため、4月から技術部に異動し運転制御に関わる技術的な助言など、サブリーダーとして参画しています。

M・W機械や設備は実際に動かしている人でないと、分からないことがたくさんあります。M・Uさんは製造部門出身ですので、製造オペレーターたちの意見を取りまとめてもらいました。そういった意見を具現化して仕様にまとめるのが私とK・Iさんの仕事です。

K・I私は中途で入社して1年目で本プロジェクトに参画したのですが、担うべき役割は何か、何を期待されているのかを常に考えていました。結果、自分の専門分野であるエネルギー関係で貢献するのが重要だと考えました。データを扱うのが得意なので、運転パターンの検証時には膨大なデータを収集し、設備のクセを数値化し、解析に努めました。

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02現場の声や会社の未来と徹底的に向き合った、設備選定プロセス。

M・U設備の更新では、まずどのような設備に切り替えるのかという検討から始まります。長期にわたって発電設備を運転している中で感じたさまざまな課題。今回はそれを改善したいと思っていました。具体的には現在のきめ細かな運転に合わないことで生じる不効率な運転や、オペレーターの業務負荷改善です。また、既存の発電設備との協調運転も考慮する必要がありました。

M・W私が最初に考えたのは、将来にわたる生産能力を想定し、発電設備をいかに最適化するかということでした。設備性能だけでなく、将来性、オペレーション性、環境性能、イニシャルコスト、ランニングコスト、ライフサイクルコストなど、さまざまな要素を考慮する必要がありました。その根拠となる細かい数値の分析は、K・Iさんが担当してくれました。

K・I1時間ごとの運転データを解析し、新設備での省エネ性をシミュレーションしました。私はエネルギー管理士という資格を有しており、脱炭素化に向けて2030年目標や、カーボンニュートラルに貢献できる設備かどうかという視点も意識しました。次世代燃料への対応確認は何度も議論を重ねましたね。

M・W最近は特に、省エネ法をはじめ、企業に求められる要件が多様化しています。投資家や取引先の目線も変わってきていますし、その視点では、本プロジェクトは当社が目指すサステナビリティ経営の根幹を担うプロジェクトと言うこともできます。会社の目指す姿を具現化させる部署。それが私たち技術部なのだ、という信念を持って業務に当たっています。

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03日本食品化工における、エンジアリングの魅力とは。

M・W「エンジニア」という職領域は実にさまざまで、企業によって大きく変わると思います。私たちは世の中にある大手メーカーやエンジニアリング会社を選んで一緒に仕事ができるのです。多くのメーカーに触れ、それを動かすことができるのが当社エンジニアのおもしろいところだと思います。超大手企業とやりとりすることも多いため責任・プレッシャーもありますが、だからこそやりがいがあります。

K・I私は中途入社だったこともあり、その部分をすごく実感しています。エンジニアリングは、計画担当、工事担当など、部署ごとに職務が分かれてしまうことが多いと思います。しかし、当社のエンジニアは計画・実行・施工管理・保守メンテナンスまで一貫して関わることができます。ここは、すごくやりがいを感じられるポイントだと思います。

M・U私はずっと設備の運転管理をしてきたのですが、メーカーのエンジニアと対等に話ができるところが強みですね。そういう経験が積めるのが当社の魅力だと感じています。現場での運転や管理という仕事はなかなか得がたいキャリアだとあらためて思っています。

K・Iエンジニアという仕事は特殊ですが、当社では本当に色々な経験をさせてもらっています。日々、さまざまな「気づき」を得られる環境があり、自然と興味関心が沸き、無理せず努力できるようになりました。専門性を深めながら、周辺分野や関連領域に知見を広げていきたいです。

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04今回のプロジェクトが導く会社の未来と、これからの展望。

M・W当社ではいくつものプロジェクトが実行されておりますが、今回のプロジェクトは費用・ボリュームなどさまざまな視点から見ても一大プロジェクトであり、まだまだ道半ばです。Well-beingに正解はないように、プロジェクトに正解はありません。今回、選定した設備が本当に正しい選択だったかどうかは正直まだ分かりません。現時点では最適でも、日々、環境は変わっていきますから、会社のビジョンに沿うように各種分析・予測を継続し、常に見直しながら進めていきたいと考えています。

M・U今回の更新は、設備こそ決めましたが、まだプロジェクトは始まったばかりで、これからが本番です。不安もありますが、楽しみでもあります。特に制御方法の確立と試運転成功は最大の難関と感じています。エンジニアリング会社、プロジェクトメンバーと製造部門がお互いに協力しなくては成功にはたどり着けませんので、私は今後もその橋渡しを行っていきたいと思います。

K・I私も会社を成長させてきた諸先輩を目標に、今後も自らチャレンジする姿勢を忘れず、日々精進していき、社会に必要とされる会社に発展させたいです。操業60年という伝統もあり、社内の制度は整備されており、挑戦させてくれる風土がある会社ですから。

M・W今回のプロジェクトは、近い未来に設備が完成し、稼働が始まった段階で評価されると思いますが、本当に、課題を乗り越えられたかどうかは、10年20年先でないと分かりません。予想が正解となることを祈っています。

M・Uこのプロジェクトは、SDGsへのはじめの一歩と捉えています。今後も継続していくはずなので、まずはその土台作りをしているつもりです。共に業務に当たってくれている若いプロジェクトメンバーの後輩たちがこの経験を活かして、きっと次世代につなげ、発展させてくれると信じています。

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